5月の中旬、ちょっと実験的なイベントを開催することになった。
いろいろ慌ただしく進めている書きものがあって、その成果を表に出すまでには結構な時間がかかる。しかも、その間に(暇つぶしを兼ねて)試作したものが、それなりに溜まってきた。ならば、そのいくつかを正式に制作してみるか、というのが普通の態度なのだろう。
ところが、そうはならなかった。
あれこれ試作したとはいえ、昨今の情勢もあって試遊は不十分だし、いまだ進行中の書きものは新作づくりに近いタイプの案件だから、同じような作業を増やすのは気が乗らない。
それなら、久しぶりにイベントをやってみてはどうか。これが事の顛末である。
タイミングというのは不思議なもので、だんだん世間の流れも変わり始めてきた。そこにきて浅草と押上の中間に「ぶんかぶ」というパズルスポットが誕生したのだ。渡りに船というか、鴨ネギというか(もちろん鴨は私)、これはパズルのイベントを開くチャンスなのでは、と思わざるを得ない。
その結果として計画されたのが、今回の「パズルもの夜席」である。
詳細はリンク先に書いたから良いとして、要は、案内人の私が選定した(メカニカルの)パズルで自由に遊んでもらう場を、日が暮れてから開く。たった数時間のプレイスペースだ。
こういう企画をやろうとすると、やはり「パズいち」の存在が頭にチラつく。
2年ほど続いて、通算の開催は24回。その間に一定のニーズを掘り起こしながら、数年前から無期限休止という、事実上の終幕を迎えたイベントである。あの当時の運営はエキサイティングだったとはいえ、いくらか無理をしている面もあった。
その経験があっての今なんだから、それは仕方がないんだけれども、あくまで別のイベントという認識で今、なんやかんやと準備を進めている。
それなりに参加費は取るし、安心設計で親切な市販のパズルは(おそらく)並ばない。それでもよければ是非、という催し。当日は一体どうなるのだろう。とても楽しみだし、まったく読めない怖さもある。
お越しになるという方は、そんな危うさも含めて楽しみにしていただきたい。大げさに書けば、そんなところです。