頼まれごとの六月

いろいろと調べものをして、余計な知識が増えていくせいか、自信を持って断定することが億劫になっている。パズルのことはおろか、自分のことについてさえ断言しにくくなっているのだから、このまま行けば、単なる弱気と見分けがつかない。

とはいえ、大層な考えを持っているわけでないから、曖昧に思い付きを述べるとか、ただ事実を列挙するとか、そうやって言葉を発し続けていくのだろう。

ひとまずセオリーどおり、ここ最近の事実を列挙しておくと、この六月は外からの頼まれごとが多かった。

まず初旬に出たのが、『パズル通信ニコリ』183号のミニ連載。どこで最初にアナウンスしたか忘れたが、前号から半ページのコラムを担当している……というのは偉そうだな。まあ、とにかく、小ぢんまり書ける場所をいただいている。

なぜか編集後記の直前なので、彼らの前座を務めたような気分で浮かれてしまうが、このコーナーの執筆陣は私だけではないから、断言するのはいけないか。あくまで個人の感想です。

ニコリ発行の数日後には、代官山にある渋谷区の施設でワークショップを引き受けていた。放課後時間にやって来る生徒さんに向けた「パズルで遊ぼう」という、タイトルも含めて小細工なしのミニ講座。

あいにく、当日は雨で人が少なかったけれど、バンドの練習を待っていた高校生たちが熱心に遊ぶのを見て、なんだか先は明るいぞ、と勝手に希望を抱く。ついでに「DTCパズル」なんてのも作って置いてきた。つまり、ここでしか遊べない。

上の写真を見て「パズルもの夜席」を思い出した人がいたら、それは鋭い。たしかに、とても似ているのだ。しかし、よく見ると画角が違う。

実を言うと、この撮影は「代官山」のためにやったもの。その後、わりと急に「夜席」の話が進んで、そこに残っていた写真を使うことにした。ところが、先に公表されたのが「夜席」だったので、なんともややこしいね。

ただ、今にして思えば、俯瞰した視点の方がパズルに慣れていない人むけだろうし、パズルに接近している方が愛好家の筋に合う。というか、実際そういう意図で選び分けたのかもしれない。よく覚えていないが、まあ、どちらでもいいか。有終完美。閑話休題。

これとは別に、同時期に頼まれて新たに作ったものがあったけれど、あれは五月だったか。そのうち発表されるので、まだ今は言及できないが、ポッドキャスト「パズルの話半分」を聞いていれば、来月には分かるはず。

ひとまず、諸般の事情が完了したから、懸案の書きもの仕事を進めよう。あまり弱気になっているわけにはいかないが、そうならないと断言できる理由もない。もう、七月ですね。